夜咲狂暴 その2
「『お前は自頭が良い。勉強の仕方を学べば大学いけるぞ』って。最初はウザかったんですが、中三の一学期に私たちの代の先生連中を巻き込んで私の勉強会を始めたんです」
それはかなり大掛かりな… 今度先生にお会いしたら、由子のこと聞いてみよう。
「へーーー。そうだったの?」
「そう。そうしたら、それまで何も勉強しなくって学年の半分くらいだったのがー」
翔が驚きの表情で
「えー、半分取れてたんですか… 凄い… そ、それで?」
「中間テストで15位くらい。期末テストで3位だったかなー」
俺と翔は顎が外れんばかりに口を開き、目の前の美魔女に平伏す。
「おい翔、ウチの娘、どうよ…? ちゃんと高校、行けそうか?」
翔は真顔で何事か考えながら、
「…… 僕が、何とか、します…」
「頼むぞ!」
「承知」
「キャー 俺が彼女の勉強を見てやるぅー アオハルですね、ア・オ・ハ・ル!」
由子は嬉しそうに翔の頭を撫でる。無意識のうちに俺も頭を差し出していたらしく、そこにはクイーンの鉄拳が落ちたのは言うまでもなし。
アオハルとは青春と同義語と知ったのは翌朝の朝食時。娘の葵に受験生として勉強に励めだの彼氏といちゃついている場合かだの小煩い説教をかまし、葵にガン無視され、お袋に逆にお前は小煩い、もっと器をどうのこうのと小言を言われ、逃げる様に出社する。




