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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第10章
329/425

夜咲狂暴 その1


 その時、ガラガラと店の扉が開き、


「誰がひいお婆ちゃんなんですかー 先輩!」


 翔が救いの女神を仰ぎ見るように、


「あっ 間宮先生! こんばんは!」


 俺の怒りと切なさは一瞬で吹き飛び、


「ゆうこちゃん、久しぶり。忙しそうだね」


 久しぶりの眩いばかりの笑顔が、


「せんぱいー 会えなくて寂しかったですー」


 苦笑いしているクイーンは、


「ゆーこ、テメ… 生でいいか?」


 間宮由子が久しぶりにやって来た。天然美人俳人としてマスコミにもよく出ており、西中の出世頭だ。かつてクイーンの舎弟? 舎妹? であり、西中の『赤蠍』と言えばクイーンの次くらいに名の知られた不良娘であった事は、世間様はあまりご存知ない。



「修学旅行! いいなー 私も参加いいですかねー?」


 俺は一瞬、由子と一緒に入る温泉を思い浮かべ、軽く前屈する。


「バーカ。オマエいっこ下じゃんか。ダメダメ」


「えーケチ。金八っつあんかー。懐かしい… お元気でした?」


「元気だったよ、変わらず。あれ、ゆうこちゃん達も教わったんだっけ?」


「いいえ。生活指導の方で、ね」


「ははは。君らの代も荒れてたんだっけか?」


「まあボチボチでしたー。でも私が高校進学しようと思ったのは金子先生のご指導なん

ですよ」


 なんと。俺たちの下の学年の生徒にも、変わらぬ愛情と熱情を与えていたんだな。



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