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夜咲狂暴 その1
その時、ガラガラと店の扉が開き、
「誰がひいお婆ちゃんなんですかー 先輩!」
翔が救いの女神を仰ぎ見るように、
「あっ 間宮先生! こんばんは!」
俺の怒りと切なさは一瞬で吹き飛び、
「ゆうこちゃん、久しぶり。忙しそうだね」
久しぶりの眩いばかりの笑顔が、
「せんぱいー 会えなくて寂しかったですー」
苦笑いしているクイーンは、
「ゆーこ、テメ… 生でいいか?」
間宮由子が久しぶりにやって来た。天然美人俳人としてマスコミにもよく出ており、西中の出世頭だ。かつてクイーンの舎弟? 舎妹? であり、西中の『赤蠍』と言えばクイーンの次くらいに名の知られた不良娘であった事は、世間様はあまりご存知ない。
「修学旅行! いいなー 私も参加いいですかねー?」
俺は一瞬、由子と一緒に入る温泉を思い浮かべ、軽く前屈する。
「バーカ。オマエいっこ下じゃんか。ダメダメ」
「えーケチ。金八っつあんかー。懐かしい… お元気でした?」
「元気だったよ、変わらず。あれ、ゆうこちゃん達も教わったんだっけ?」
「いいえ。生活指導の方で、ね」
「ははは。君らの代も荒れてたんだっけか?」
「まあボチボチでしたー。でも私が高校進学しようと思ったのは金子先生のご指導なん
ですよ」
なんと。俺たちの下の学年の生徒にも、変わらぬ愛情と熱情を与えていたんだな。




