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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第10章
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夢幻泡影 その9


 〆の深川めしを絶賛した後、泉さんは一人で帰宅する。退院したばかりで久しぶりのお酒が入ったせいか、椅子を立つ時に少しよろめいたので、クイーンが腕を肩に回し店の外まで送って行く。その瞬間、ニヤリと笑ったのを俺は見逃さなかったがな… エロじーさん…


 席をカウンターに移し、俺はスマホでその鬼怒川のホテルを探るも、


「うーん。流石にそのホテルの情報、ネットにも全然出てないわ。泉さんの連絡待ち、かな」


「でも良かったですね。『アンバサダーグループ』と言えば欧米でも評価高いみたいですし」


 翔が李氏の会社を調べてくれている。俺にはよくわからないので、明日にでも山本くんに聞いてみよう。昼にメシ誘ったが激しく拒否されたから、まともに口聞いてくれるか微妙だが。



「そう言えば。最近、葵とは上手くいってるの?」


「彼女は来年受験ですからね。最近は専ら図書館で一緒に勉強しています」


 戻ってきたクイーンが首を傾げながら、


「図書館? しょっちゅうアオジルん家でメシ食ってくんじゃんよお。部屋で何してんだか〜」


「ちょ、ちょっと…」


 翔がサッと青褪める。俺は頭にカッと血が昇っていく。


「…… 聞いて… ねえぞ…」


 俺は無意識のうちに立ち上がり、翔の目の前で仁王立ちする。


「ま、待って、お父さん…」


「は? 誰がお父さんだって? オマエ、表に出…」


「ぶははー。おい翔、ちゃんと着けてやってっかあ? え? 来年アタシひい婆ちゃんってかあ、ギャハハー」



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