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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第10章
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夢幻泡影 その8


「金光さん。ここだけの話です。よく聞いておいてください」


 一通りの皿を味わい、久しぶりの外食を満足した泉さんは、杯をチビリチビリと舐めながら小さい声で呟きだす。


「承知しております。お願いします」


「台湾のリゾート会社が買収し、改修中のホテルが鬼怒川にあります。そこが秋にオープン予定なのです」


「成る程」


「社長の李さんとは旧知の間柄でして。どうでしょう、そのホテルのオープン前の予行練習、つまりプレオープンに訪れてみては?」


「本当ですか! それは素晴らしい! ただー 今回の客層なんですが… 年収500万円以下の低所得者層がメインなんですよ」


「でも金光さんの様な方もいらっしゃる。ホテルとしては良いケーススタディーとなるでしょう。その辺りは私が李さんに言い含めておきますよ」


「スゲー じーさん、カッコいいわ、見直したわ」



 仕事を忍に任せ、テーブル席に座っているクイーンが、うっとりとした目で泉さんのお猪口に酒を継ぎ足す。


「いやー 貴女には眼福の思いをさせて貰いましたしねー あっ…」


 俺はニヤリと笑いながら、


「… やっぱり、見てましたよねえ、あの時」


「ま、そこは私と金光さんの、ね」


 ウインクされ、ドキッとしてしまう。色気のあるじーさんだ…



「では、後日詳細を連絡します。いやー、光子さん、〆にご飯物ありますかね?」


「ハイよっ『深川めし』なんてどーよ? ちょっと人気なんだぜ」


「いやー、いいですねえ、深川めし。ぜひお願いしますよ、楽しみだなあー」



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