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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第10章
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夢幻泡影 その5


 社長にヒントをもらい、今回のミッションの突破口を了知した。人気の落ちたかつての有名温泉街ならば盆前でもチャンスはある。然し乍ら俺には土地鑑が全くない。ホテルや旅館にツテもない。山本くんをこれ以上働かせたら、屋上から飛び降りるか会社を去ってしまうであろう。


 これは、あの方のお力を借りるしかあるまい。



 ISSAという世界的な温泉評価団体がある。そのシニアインスペクターの泉氏とは、ある出来事以来仲良くさせて貰っている。病気で入院していたのだが、先日無事に退院したとの連絡をもらっていたので早速連絡を取る。


 彼は立場上、旅行代理店『鳥の羽』社員としての俺と会うことは出来ない。だが、ただの温泉仲間の金光となら自由に付き合えるのだ。


 前に入手した彼の個人連絡先へ、自分のスマホから自分のアドレスで連絡する。退院したばかりで暇なのだろう、すぐに連絡がつく。


 長い入院生活から自宅に戻り、外に出たくてウズウズしているとの事。俺はニヤリと笑いながら返信を認め送信する。


 同時に、クイーンに連絡を取り、他の予約を取り消してでも今夜の席を確保しろと突きつける、相手はあの泉さんだと言うと、本当にひと組の予約を一方的に破棄し、俺たちの席を確保しやがった……


 恐るべし『居酒屋 しまだ』 今夜、快気祝いのご接待の席は整った。



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