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喧嘩上等 その10
山本くんは涙をおしぼりで拭い、スマホを読み進める。
「で… 本当でしょうか、この文章は…
『そしてお台場の駐車場にて大乱闘、相手のヘッドに大怪我を負わせて… 片目を潰した』
…まさか… ね…」
山本くんがゴクリと唾を飲み込む。
「あーーー 当たりどこ悪かったんだよー、なー、キル子の奴。頬狙ったのに頭伏せやがるからよお」
クイーンが一息入れに俺たちのカウンターにやって来てiQOSを咥える。山本くんがヒッと呻き、身を縮ませる。
「これは、まさか、
『通報により駆けつけた警察車両に損害を与え…』
てないですよね?」
クイーンは仏頂面で、
「しゃーねーだろ。仲間逃す時間稼ぎによ、金属バットでフロントガラスを叩き割っただけだよ」
「マジか… で、でも、この、
『更に、複数の警察職員に暴行を加えた…』
こ、これはさすがに創作?」
不貞腐れながら、
「しゃーねーだろ、寄って来てワキガ臭くてキモかったからよ」
「お、恐ろしい… 恐ろしすぎる…」
心の底から怯えている山本くん。ネットで都市伝説化されている人物が目の前におり、当時の事件を赤裸々に語っている。更にネット上には書かれていない事件の裏まで掘り下げられ、それが想定外に無残で残酷で…
彼は今茫然自失状態と言えよう。
よし、今だ…




