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喧嘩上等 その9
忍が遥か遠くを見る目で静かに呟く。
「アタシ死のうとしてたんっすよ。拉致られてボコられて輪姦されて。心と身体をグッシャグシャにされて。生きてく気失くして、病院のベッドでいつどうやって死のうかってコトばっか考えてたんですよ」
「うん。うん…」
横を見ると山本くんが目に涙を浮かべて聞いている。その山本くんの姿が突如滲んでくる。
「ちょ、二人とも何すか、湿っぽい。そんな時ね、姐さんが突然見舞いに来てくれたんっす」
「……」
「もうビックリっす。あの大江戸連合のクイーンが、メデューサの大幹部が、名前も知らねえ一番下っ端のアタシの見舞いに来てくれたんっすよ。そんでこう言ってくれたんです、
『必ずヤツらぶっ潰す。んで、オメエの面倒ずっと見てやる。だから、早く元気になれ』
萎れてたアタシの心と身体、ガツンと生き返りましたわ、ガツンと。キャハハ〜」
何という、二人の物語。二人の絆。
俺はシャツの裾で湿った瞼をそっと拭った。




