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喧嘩上等 その8
山本くんはそれ以上言葉が出せず、ただ視線がスマホ画面と忍を行き来している。俺も絞り出すように、
「忍ちゃん… すまん…」
と呟く、それしか出来ない自分に腹を立てながら。
「何十年前の話っすか。もう全然っすよ」
本当に明るい笑顔でサラッと言ってのける、こんな器の大きな人間は初めて会ったかも知れない……
「いや、それでも… ホント知らなくって…」
忍は更なる笑顔で話しだす。
「でね。一番下っ端っすよアタシそん時。向こうもまさかこんな下っ端のために全面戦争になるとは思ってなくてアレだったんじゃないっすか。アタシも仕方ねーと思ってましたし」
ビールを一口飲んでから、まるで推しのアイドルを崇仰するが如く、クイーンを眺める忍。
「そんな名前も知らねえ一番下っ端のアタシの為に、あんな大事件起こして」




