313/745
喧嘩上等 その5
「な、な、な、何ですかあの人… 僕、殺されそうになりましたよね、一体…」
予約席、と言うかいつものカウンター席で彼は赤く腫れた喉を押さえつつ慄いている。
「この店の主人、通称クイーンこと、島田光子。詳しくは『深川 クイーン』でググってみ」
「クイーンって… えーと。深川、クイーン。………」
真剣にググりだす彼を放置し、
「忍ちゃーん。ビールお代わり二つねー」
「ほーい。いーなー修学旅行」
珍しく忍が寂しげにブーブー鳴くので、ちょっと可哀想になり、
「一緒に来ればいいじゃん、学年違っても全然構わないぜ」
あざす、と礼を口にしつつ、
「いやあ、流石に中学チゲーから、キツいっす……」
え? そうなの? てっきり深川西中学校の二つか三つ下だと思っていた。
「そっか、忍ちゃん何中だったっけ?」
「東中っす。それにニコ下っすから」
なんだ。全然違う学校じゃん。東中は住宅地にあるから、我が西中よりも遥かにお行儀も良いし進学率も良かったものだ。




