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喧嘩上等 その3
そのことを彼に伝える気もないのだが、あまりにしつこく女子社員と仲良くしろしろとうるさいので、
「実はさ、今付き合っている彼女が、会社の若い女子に嫉妬しててな。だからあまりこっちから積極的に仲良くできないんだよ」
「はあ? 専務らしくない。元天下のメガバンクの支店長を張ってらした方のお言葉とは思えない。何ですかその彼女? 仕事に口出すな、位言ってやりなさいな。あ、何なら僕が言いましょうか?」
俺は腹筋が崩壊するほど痛くなり、
「そっか。実は今から行く店さ、俺の彼女の店なんだよ。じゃあ一つ、ビシッと言ってやってくれるかい? なんか済まないね、プライベートまで世話になっちゃってさ」
山本くんはふんぞり返って、
「任せてくださいよ、ビシッと言ってやりますよ、ビシッと!」
家族以外の人を初めて『居酒屋 しまだ』に連れて行くが、今から彼がどうなってしまうのか、楽しみで仕方のない俺は、早歩きで門前仲町の駅の階段を駆け上がるのだった。




