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狂喜乱舞 その8
銀行時代、俺に対しこのような態度の人間は一人もいなかった。俺でさえ、ホンモノの馬鹿な上司に対して面と向かってバカと言ったことはない。山本くんが少し羨ましくなる。
「では、俺が君にバカ呼ばわりされる理由を具体的に言ってくれ」
すると待っていましたとばかりに山本くんが捲し立てる。その勢いの凄いこと…
「あなたねえ来月ですよしかもお盆ですよそれで二十名様お一人9800円で二食付きしかも送迎付きって平成ですよ平成昭和中期じゃ無いんですよしかも日光ですよね丸一個足りませんからホント舐めてますねしかも…」
本気だ。マジでキレている。俺は若い社員をキレさせてしまった…
「ちょ、ちょっと待て。分かった。済まなかった。俺が本当に無知だった。この通りだ…」
頭を深々と下げ、銀行員時代に培った、本当は全然思ってないけどマジで申し訳ありませんでした、の姿勢を彼に対してとる。すると
「―なんか言い足りませんが… 分かってくだされば…」
と溜飲を下してくれたようだ。流石、俺。




