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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第1章
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救い その10


 周囲から音が消える。


 男性は変わらず身動きなし。固く瞑った目はぴくりとも動かない。


 自分がサッと青ざめるのを感じる。額から汗が目に入る。


 何だよ、目開けろよ…


 再び器械が作動。


 老人の目は開かず、胸も動きは無い。


(ショックが必要です 充電しています)


 大型トラックが通り過ぎ、排気ガスが辺りを吹き抜ける。


 もう目を開けろよ、この子こんなに頑張っただろ、おい、報いろよ、起きろよ…


(点滅ボタンをしっかりと押してください)


 三度目の作動。


(ショックが完了しました)



 男の子の食い入る様な視線。それは見知らぬ男の甦生を信じ、自分を信じ、そして周りの人々を信じているからこそ出る本物の目力。


 俺も彼を信じ、器械を信じ、そして甦生を信じ…


(ショックは不要です)


 ワッと喝采が上がる。


 男性の目が薄く開かれてくる。口元が微かに動いている。


 器械が何かを言い少年が男性に何事か呟いている時、サイレンの音が遠くから聞こえてきた。


 いつもなら忌ま忌ましく感じるそのサイレンの音は、今日この時ばかりは復活の福音として俺の胸にいつまでも鳴り響いていた。



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