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一心同体 その10
「やっと… やっと俺も高級旅館に行ける。やった!」
健太が本当に嬉しそうな顔で大喜びしている。そんなに? と思いつつ、もし本当に行くなら、日程を先に決めておかねば。
「ははは。良かったな。で、先生、いつぐらいにしましょう?」
「そうだなあ。あんまり先だと盛り下がっちゃうから、どうだ、来月とか?」
この人も下町の人だわ。早っ 決めるのもやるのも早っ
「お盆の辺りですか。帰省する奴いないかな?」
「根っからの江戸っ子だろが俺ら、田舎なんてねーし。しかも江戸の盆は今月だし」
確かに。俺のお袋も親父も、この辺の生まれ育ちなのである。
「なるほど。先生ご予定は?」
「ないよ。うん、その辺りなら」
「皆も平気かその辺り? ウチは大丈夫だな…」
こんなに大勢で一つの事をワイワイ決めるのは新鮮だ。そして懐かしい。あのクイーンですら店のカレンダーと忍を交互に見ながら、あーでもないこーでもない、と忙しそうだ。
先生と俺たちの日程調整の結果、来月八月の山の日の翌日から一泊、という事に決まった。そして各々が先生にお世話になった級友に声を掛ける事にもなった。まあ急な話だからそれ程人数は増えまい。締めて二十人程、と想定し、あとは来週にでも会社の優秀な部下である山本くんに丸投げしよう。




