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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第9章
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夜露死苦 その8


 店の前に立つ。中から昔懐かしい先生の声が聞こえてくる。暖簾をくぐる勇気がない。笑い声が聞こえてくる。その中に加わる荒肝がない。どうしても足が前に進まない。あれ程期待してくれた先生の落胆する顔が見たくない。



 踵を返そうとしたその時、肩に温もりを感じる。


「どした? 中入ろうぜ、一緒に」



 金色のポニーテール。白のTシャツ。細身のジーンズ。そして、いつもの真っ直ぐな瞳。肩に置かれた手から、そしてこの瞳から温かい力が俺に伝わってくる。今までの俺に無かったもの、そしてずっと欲しかったもの。


「ああ。行こうか、一緒に…」



「おっ! キングとクイーン、同伴かっ」


「ヒュー、ヒュー」


「ビミョーにお似合いだぞっ」


 そんな冷やかしの声の中、中肉中背の、あの頃と変わらない先生がスッと立ち上がる。



「軍司? 軍司か。それに… 島田!」



 周りの声が鎮まっていく。



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