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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第9章
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夜露死苦 その6


 そんな先生を思い浮かべながら現実に引き戻される。


「で、病院で会ったって…… 先生体調悪いのか?」


 川村は俯き、顔を歪ませ、低い声で


「ああ。周りに迷惑かけたくねえって、ずっと我慢してきたんだってよ… もうよ、ゲッソリ痩せちまってさ」


 川村は目に涙を浮かべながら鼻を啜る。俺は口の中がカラカラに渇き、ジョッキを口にする。


「なんか、いぼ痔だか切れ痔だかの手術して、奇跡的に助かったってよ」



 俺はおかわりのビールを口に含んだ所であった。それを盛大に噴き出しながら、


「死に至る病気では無いな。そうか、お元気なんだ」


「汚ねえなー ったく… ああ、元気、元気。『川村―、親孝行かー、偉いぞー』なんて病院中に響き渡る大声でよお ったくこっちは五十過ぎだっつーの」


「はは、先生にとっては俺らが最初の生徒だったからな。きっといつまで経っても生徒なんじゃないか?」


「そっかあ。会いてえなあ 金八っつあん…」


 いつの間にかクイーンがiQOSをふかしながら俺たちに加わっている。


「おう! 今度誰か連れてこい! タダ飯食わしてやるっ」


「おっ流石クイーン 太っ腹!」


「いや腹出てねえよ、ほれ」


 エプロンとTシャツを胸までさっと上げると、六分割された腹が現れる。元不良三人の反応は皆同じ。空腹で松吉屋で牛丼食べたら、間違って松坂牛だった時の顔。見てみたかったが実際見たら別の意味で凄くてちょっと引く、そんな空気に俺は一人軽い嫉妬を感じる。



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