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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第8章
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待宵草 その10


 ゆうこは寂しげな刹那げな表情でボソッと呟く。一瞬、俺は何かとんでもない過ちを犯してしまったか、と不安感に苛まされるも、遠くの席でジョッキを片手にギャハハと笑っているクイーンを視認し、俺は間違っていない、これが正解なのだと自分を鼓舞する。



 ゆうこの美魔女マジックは俺から徐々に抜けていき、ようやく自分自身の確かな感情を自覚すると、ゆうこは仕方ないですね、と呟きながら大きく息を吐き出した。



 これでいい。これが最適解なのだ。俺にはこの女性はとても手の届く人ではないのだ。


 俺がこれから手と手を取り合う相手は。


 ビールジョッキを一気飲みしてやんやの喝采を受けている、あの女なんだ。


 ゆうこはクイーンを一瞥し、そっとワイングラスを口にする。



「でも…」


 上目遣いで俺の目を容易く吸い寄せる。


「あの時みたいに…」


 そして濡れた唇が俺にそっと囁く



「また、盗んじゃおうかな…」



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