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救い その6
初七日を終えた後。俺は本社の法務部から呼び出された。
浮気相手が傷害と結婚詐欺で俺を訴えると言う。
お抱えの超凄腕弁護士が絶対大丈夫です、不起訴にしてみせます、その代わり全て包み隠さず話してもらう必要があります、と言って、俺は全て包み隠さず話した結果、直ぐに支店長職を解かれ本社人事部付けの閑職に回された。
健太には上司と喧嘩したなんてカッコつけたが、なんてことは無い、よくある小指人事ってヤツだ。
相手とはあっという間に示談が成立、それなりの賠償金? 手切れ金を払い、事態は終息したのだ。だがこの話はあっという間に全社に知れ渡り、すれ違う同僚達の呆れた眼差しが俺の心を壊して行った。
だが。それ以上に俺の心をズタズタにしたのは。
俺があの時に妻に対し全くの無力であったこと、もしかしたら心臓マッサージなどで命を救うことができたかも知れなかった、と言うこと。
あれ程俺に尽くし、俺を支え、家庭を大事に育んでくれた妻の命を救えなかった無力さ。
俺はその程度の人間だったのか、俺はあれ程俺の為に己の人生を捧げてくれた人間を助けることも出来ない人間の屑だったのか、と言う事実。
自尊心は粉々に砕かれ、銀行マンとしてのプライド、男としてのプライド、人としてのプライド全てが俺から抜け出て行ってしまった。




