258/372
朝涼 その7
海老名SAで各々軽い昼食をとり、千鳥ケ淵に到着したのは夕方四時過ぎ。懸念された渋滞には全く当たらず、これ程快適なドライブがあるか、と自画自賛したい程の旅であった。と自分では思っているのだが?
「せんぱい。こんなに楽しい旅は、初めて! また秋の句会の時、絶対!」
嬉しそうな、そして何故だかやや妖艶な微笑みでゆうこは言ってくれる。
「金光さん、ある意味、私の人生を変えてくださり、ありがとうございます」
重っ この子、やっぱ重度のコミュ障? 俺が困った顔をしていると、純子さんが真顔で俺にそっと囁く。
「さすがママの五番目の旦那さん候補です。なるべく早く、クイーンさんと駆け落ちすることをお勧めします。でないと、あの男たちのように……」
まるで挽き肉となったガマガエルを眺める表情で首を振っている。
やばいやばいやばい。死んだ親父が俺の腕を引き戻してくれている気がする、何かしなければ、俺はゆうこに捕食されてしまう……
近所に厄除け蠍除けに効く寺か神社なかったかな、帰ったら健太に相談すっか。




