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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第8章
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朝涼 その2


 宿を出る前に本来の目的である、建物や庭などの取材の写真を撮り、宿の人に感謝の意を伝え、今後も弊社をよろしくと言ったところ、


「間宮先生の句会を当宿で開くなど如何でしょうか?」


 などと逆に素晴らしい提案をもらう。やや年齢層的に高いか、とも思ったが、俺のプレゼン次第で大した企画になるであろう。そんなゆうこは二つ返事で、


「素晴らしいですね、是非、この金光さんの企画運営で!」



 秋の紅葉の季節をターゲットに話はトントン拍子で進み、数日内に企画書を送付することを約し、俺たちは宿を出る。


「なんか、ゆうこちゃんに一から十までお世話になっちゃって。本当にありがとう、そしてこれからもよろしくね」


「せんぱいのお役に立てるなら喜んで!」


 まるで昨夜のことなぞ無かったかの振る舞いに、苦笑いしてしまう。



「クイーン、この宿どうだったよ。また来たいか?」


 庭を見廻し、何度も首を縦に振りながら、


「そーだな。いい宿だったな。また連れてけよ」


 その言い方がまるで恋人か古女房みたいだったので、俺の方が少し照れてしまう。


「お、おう」


「や、約束だかんな…」


 するとすかさずゆうこが横入りしてくる。


「ちょっとー お二人、何コソコソ話してるんですか!」


「…べ、別に… おっ それより純子んトコ行かねえと」



 クイーンが逃げ出すように車に乗り込む。後輩に押されっぱなしの先輩の姿につい吹いてしまう。



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