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朝涼 その1
「おはようございます。朝食の準備に……?!」
「んーーーー、あったまイテー ふわーー ん?臭っ」
「おはようございますー よく寝たー んぐっ」
「修善寺の朝の空気、おいしいですよ、すぐに窓開けますねーーー」
朝八時。
仲居さんが爽やかな困惑した笑顔で部屋に入ってくる。あっという間に部屋の窓を全て開けると俺臭さが一瞬にして消え去り、清々しい朝の空気に部屋は満たされていく。
皆二日酔いで、折角の質素ながらも地の旬のものを活かした朝料理に箸が全く進まない。それよりもこちら、とばかりに三度目の湯に浸かりにゆく。心地よい汗が流れ出し、酒気が徐々に抜けていくのを感じる。
けれど、深夜の出来事が俺の心から流れ出ていく気配は全く無かった。




