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月下美人 その8
ウトウトしかけた頃、不意に右隣のゆうこが寝返りを打ち、俺の布団に接近するのを感じる。薄く目を開けるともうその目の前にゆうこの寝顔がある。何なら寝息がかかる程に…
俺は慌てて左に寝返りを打ち、クイーン側に体を向ける。穏やかだった鼾が徐々に迫力を増してきている。
背中に温もりを感じる。最初は点の温もりだったのが徐々に面積が拡がる。肩甲骨の下辺りに二つの柔らかさを感じ始める。首筋に明確な熱い吐息を感じる。腰に手を回されているのを認識する。
だが、俺は知っている。俺は興奮することは、無い。何故なら俺の体に密着し探っているのが彼女では無いから。優しく温かく、それはそれで確かに癒される。が、心が、体が燃え勃つことは無い。彼女で無いのだから。
背中の右手がそっとリトル俺を触れる。無駄だ。どれほど時間をかけようが、それは無駄なことだ。苦笑いが浮かぶ。俺は決して、オマエ以外で… と彼女の凄い寝相を愛おしげに眺め…




