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月下美人 その7
目を開ける。間接燈が仄かに部屋を照らす。強い尿意に思わず体がブルっと震える。ゆっくりと身を起こし、トイレで三分は放尿する。最後の滴を振り落とし、フーっと息を吐く。
これ程呑んだのはいつ以来だろう。
俺はどれほど呑んでも乱れることなく、飲み会でも決して隙を作ることは無かった。そんな生き方をしてきた。記憶を失うような飲み方は、出世の道を己で塞ぐようなもの。信頼する後輩達にもそう伝えて来たし、邪魔な先輩、同期、有能過ぎる後輩には進んで乱れ酒を送ってきた。
軽い頭痛に軽く舌打ちをし、冷蔵庫に入っているミネラルウォーターを一気に呷る。甘露とはまさにこのことだ。
時計を見ると二時半、穏やかな鼾と健やかな寝息が交差している布団に俺は戻る。
今気づいたが川の字に並べられた布団の、何故か俺が真ん中だ。左隣にクイーン、右隣にゆうこ。しかも布団は三つとも密着している。クイーンの寝相は凄まじく、俺の布団の二分の一程進撃してきている。
俺はそっと布団に入り、残りの自領でそっと目を閉じる。




