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月下美人 その2
成る程な。一期一会で来訪する外国人にはこの喜びと期待は持つことは出来まい。この宿の常連客のみが享受出来る特権なのだ。泉さんが言っていたことは、このことだったのだ!
この宿は世界的な高級ホテル予約グループに一切属してないと女将は言っていた。その必要が宿に全く不要だからだ。季節ごとにここの料理を楽しみにしている常連客が、それこそ何千名もいるに違いない、俺も今宵その一人になってしまったし。
さあて、会社には何とリポートしてやろう。俺は鮎の塩焼きを写真で撮ったり、仲居さんにそれぞれの料理の背景を聞いたり。常連客の嗜好をそれとなく伺ってみたり。それが堪らなく楽しい。
やはり俺は、完全に仕事を余暇から切り離せない人種なのだろうか…




