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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第8章
240/425

目に青葉 その6


 露天風呂からの景色は箱根『銀の竪琴』と違い、自然に人間の手を加えた造形美を楽しむ趣向の様だ。どちらかと言うと、大自然の中の自分を感じることが出来た前回の露天風呂の方が良かった気がするが、それはそれ、これはこれで色々と経験を積み重ねて行くことで価値観の幅が拡がっていく気がする。



 なので、なるべく主観を廃した観察能力を培っていかねばならない。これはISSAの泉さんの呟きの引用なのだが。



 すっかり日が沈み、提灯の灯りが幻想的な光景を浮かび上がらせている。自然の美に対する人工の美。これはこれからの俺の認識と経験の積み重ねの中で徐々に答えが見つかっていくのだろう。


 連休明けとは言え、少なからずの滞在客が同湯しており、みなそれぞれが景色を眺め満足そうな表情を見せてくれる。俺も知らずのうちに頬が緩み、肩をすくめながら顔を湯で流す。


 今はただ、この自然と人智の調和美に身を委ね心を癒そう、そう決めて無我の世界に入る。



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