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目に青葉 その4
受付で予定では四名だったのが三名になった事を告げ、部屋に案内してもらう。
「『鳥の羽』専務取締役の金光です。よろしくお願いします」
「『しまだ』の島田光子です… 夜露死苦… いえ、宜しく…」
「ようこそいらっしゃいました、さあ間宮先生、皆様、こちらへどうぞ。」
受付の係りの人も仲居さんも、俺たちのパーティーは間宮由子とその仲間達、というスタンスで扱ってくれているので、俺もクイーンもゆうこの陰に隠れ、落ち着いた挙動を保つことが出来ている。気がする。
流石、日本最高峰の旅館。建物内の雰囲気、調度品、窓外のちょっとした景色、どれもが俺が未だ嘗て経験したことのない類のものばかりである。建物自体はそんなに古く感じないのだが、内装や調度品に「歴史」を感じる。
その辺に何気なくかけられている掛け軸。よく見ると俺でも聞いたことのある有名な作家のものであったり。さらによく眺めると、高校の美術の教科書に載っていたものなのでは…
前回の箱根の時と違い、今日のクイーンは挙動不審、とまでは言わないが、あちらこちらを見回し、ほー、だの、へー、だの、そこそこ興味を持っている様子だ。
「どうだ、この旅館?」
「ああ、じゃねえ、ええ。上等ですわね」
真顔で必死なクイーンについ笑ってしまう。
「もうすぐ部屋だ。後少し、頑張れ…」




