みずげんか その7
意外にも待合室の患者、というか飼い主の皆さんは苦情の一つも言わず大人しくしている。
「あのドリトル先生がよ、人と喋ってるずら」
「しかも、可愛げなお嬢さんとだら」
苦情どころか優しく見守っている感だ。
「あの先生には本当にお世話になっててな、人には無愛想だけどこの子たちには優しくって」
「私らより、ペットの事を一番に考えてくれて」
「その先生が、なあ、女の子とあんなに… ちょっと嬉しいよ」
皆さんにこんな風に言ってもらって。あれ? 怒鳴り合いなのになんで皆さんは……?
「キミみたいな都会的な美しい女性には僕の生き様なんて到底理解出来まい!」
「何を言っているのかしら。貴方みたいな動物にも地域にも慕われている方に私の苦悩なんてどう認識し得るのかしら?」
「だから僕の何を鑑みてそのような認識に至ったというのかい?」
「ですから、相互理解を深めていく事が更なる相互認識に至るのではなくって?」
「うむ、そこに関しては全く異存はない。然し乍らその為の手法論として…」
うん。いつの間にか互いに興味を持ち相互理解に努めようとしているようだ。簡単に言えばだ、お互い気になる相手となっています、もっとあなたのことを教えてくださいませんか、と言うことらしい。
そうかいつまんでクイーンとゆうこに伝えると、頭にはてなマークを浮かべつつも笑顔で頷く二人の母親であった。




