救い その3
駅に着きホームに降りると腹がぎゅうと鳴る。そのタイミングで健太から連絡が入る。階段を昇り地上に出るとクシャミが一つ出る。今年の花粉はなかなかしつこい。スマホを開き、健太に返信する。絶対にあの店ではない事を何度もしつこく確認する。
あの後も健太は何度もあの店に通っているようだ。どうせ俺は出禁だろと言うとそんな事は無い、また来い、と言っているそうだ。
それは絶対無い気がする。行けばネチネチと弄られることだろう。店の裏に引き摺られていき、相当額のクリーニング代を請求されるのも有るだろう。ひょっとしたら動画に撮られていて、家族や会社にバラされたくなければ、と金品や土地の権利書を要求されるかも知れない。
あれからクイーンの事を思い出すのも鬱陶しく感じていた。まあ激しい暴行を受け、更に吐瀉物を顔にかけてしまった間柄なのだから、正直二度と顔を合わせたくないと思うのは正常な人間の心理であろう。
しかしながら、葵とイカれた孫の話だけはいつかキッチリと話を付けねばならない、何なら俺がメガバンクで世話になった超優秀な弁護士を間に入れることも考慮せえねばなるまい。
きっと葵が無理矢理付き合わされているのだろう、変な動画とかをダシにされて……
気がつくと怒りで駅の階段を駆け上がっていた、俺は息を整えてから指定の店へ足を向ける。日暮れ前の駅前大通りはかなりの人混みだ。その人混みを避けながらー




