表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第1章
22/341

救い その2


 正直、銀行勤めの頃は全く育児に興味が無く、従って葵に対して父親らしいことを何もしてこなかった。遊園地や水族館に連れて行ったこと皆無。運動会や発表会への出席ゼロ。


 葵は妻に似て実に大人しく聞き分けの良い子供だった。仕事最優先だった俺に対し、拗ねたり駄々をこねたことゼロ。


 俺なんかよりもよっぽど人間性の高い子供なのである。



 だが。


 そんな葵が見せ始めた、反抗の兆し。それも、俺にとって最悪の形である、初めての彼氏がイカれたヤンキー。


 こんな事態になったのも、俺のせい……


 などと反省しても既に遅い。過ぎた過去は戻らないのだ。



 娘の反抗と許し難き色恋沙汰を忘れようと、早々に家を出て会社に向かうのだが。


 気持ちの整理は生半可なことでは出来そうにない。イライラは仕事上でも出てしまい、言わなくても良い嫌味を言ったり、どうでもよいミスを激しく咎めたり。


 職場の誰もが俺と眼を合わせようとしない。俺の周りは話し声すら途絶えている。昼休みになると皆一目散にオフィスから出て行ってしまう。


 まあ、それは転籍した当初からそうなのだが。



 定時になったので、遠慮なく一人悠々と席を立ち、退社の準備をする。桜の花も散り、花粉症もだいぶ楽になってきた。周りで皆が忙しそうに働く中、一人残業もせず花粉避けのマスクを付けてとっとと帰宅の途につく。それを咎める視線は一つもなく、むしろ厄介者が消えた感が背中のオフィスから漂ってくる。大きな溜息が一つ。一体これがいつまで続くのだろうか…



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ