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みずげんか その5
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銀行時代、それこそ現役東大京大の秀才たちを嫌という程見てきたが、本物の天才というものを間近で見たのは初めてだ。
天才。
彼は間違いなく、天才である。
理由。この俺が、彼の言っている事を全く理解出来ないから。彼は人に説明する為でなく、己の思考を単に言葉にしているだけである。その彼の思考が我々凡人とは隔絶し過ぎており、何を言っているのか全く理解出来ない。
クイーンを見る。やれやれという顔をしている。ゆうこを見る。間の抜けた顔をしている。彼の話がぶっ飛び過ぎていて、理解しようという気にもなれない様子だ。
その時だったー
「私っ この子に性欲なんて感じてないからっ」
…… 俺ら三人は何語の会話を聞いているのだろう……
「いや。オマエの深層心理には」
「だからっ 人を勝手にユングしないでっ」
「そうやって自己保全に走るところが既に」
「私の事よりっ この子と関係ないでしょ、共依存してるわよ、」
「話が論理的でない。キミはロゴス的に破綻しているんだ」
「それはあなたの一方的な主観でしょ。客観的に透察してないじゃない私達のこと」
「いいか、医学的なアプローチではこの子は救えない。主たる保護者のキミと…」
「だから、私とこの子の関係性を分析してからの深層心理的アプローチを…」




