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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第7章
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涼風 その5


 呆れたというか、驚いたというか…… 俺は言葉を失う。


 どうやら龍二くんは、稀に見ぬ知能の持ち主らしい。いわゆるコツコツ型の秀才タイプではなく、直感型の天才肌なのではないだろうか。


 俺やクイーンの孫の翔は典型的なコツコツ秀才タイプである。誰にも負けない勉強時間の中で、直感的な閃きはあるものの、その思考性の主体は自分ではなく他者との比較であり、よってコミュニケーション能力に長けているのだ。だが、龍二くんのようなタイプはあくまで自分が思考の中心に存在しているので、他者との比較が必要なくよってコミュニケーション能力を必要としないのである。


 彼の人嫌いは、クイーンが思っているような親の愛が足りない、と言う話では無さそうだ。彼の持つ途轍もない知性が故に周りの普通の生活、人間関係、勉学に馴染めず関われず、周りも彼をどう扱えば良いか持て余し、互いに良好なコミュニケーションを築けなかったのだろう。



 そんな中で彼は実の母親、姉とも上手く関わることができずに、己の世界に没頭せざるをえなかったのではないか。


 だが彼は動物を相手にする事で少しずつ社会性を取り戻し、ほんの数人だが友達も出来、大学も出て今は立派な獣医となった。相変わらず人と話すのは苦手らしいが。


 そんな彼に会うのが本当に楽しみになってきた。その事を言おうと思った時、助手席から穏やかな鼾が聞こえてくる。



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