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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第7章
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涼風 その3


 そう言えば龍二くんの為人ひととなりを俺は聞いていない。その事を彼女に言うと、頬を緩ませながら、


「龍二… アイツ昔から変わってたわー」


「へえ、どんな風に?」


「人と喋るのが苦手っつうか、嫌いだったんだわ。姉貴の真琴ともあんま喋らねえし。あんま喋んねえからアイツの父親が心配して… 色々検査とかしたのだけど、別に精神異常とかはないって。親の愛が少し足りないのではって言われうなだれちゃって。でも仕方ないわ…」



 でた。コイツの元彼回顧中の人格変貌。二番目の彼氏は確かトシヤとか言った。聞いてみると


「そう。産婦人科のお医者さんだったの…」


 でた。新たな発見。長女の真琴さんの父は検事だった。それも彼女の傷害事件を担当した… と言うことはトシヤ先生も…


「そうなの。真琴が難産で母子ともに結構危険だったの。それを救ってくれたのが俊哉さん」


「聞いたことねえ… 産婦人科医と患者の恋話…」



 この人の恋バナは、人生経験がそこそこ豊富な俺でさえ、唖然としてしまう。一体彼女の何がこうさせたのであろう… よりによって自分の子供を取り上げた医師に惚れてしまうとは…


「私は産後すぐ良くなったのだけど、真琴が未熟児で大変だったの。何度も諦めかけたわ。毎晩泣いていたの。そんな私に大丈夫、僕と一緒に頑張ろう、二人で救ってみせようって笑ってくれたわ。気がついたら、俊哉さんに夢中だったわ…」


 なるほど。確かにそんな事言われたら、俺でも惚れちゃうかも知れない。口の上手い医者だったのだろう。


「そして真琴が何とか良くなって退院した後も、わざわざ家まで来て診てくれたり。あの人と話していると凄く元気になれたの。こんな人と一緒にいたいと思っていたな…」


 何となく予感がする。霊感と言っても良い。


「察するに、その彼も…」


「ええ、奥さんがいたわ」


 思わずハンドルにおでこをぶつけてしまう。



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