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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第7章
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雲の峰 その11


 俺は言葉もなかった。


 三年前までの俺も、似たようなものだったからだ。



 俺の場合は『出世中毒』。少しでも上に行くことしか考えずに、そのために職場の同僚、先輩後輩、家族や友人を省みることなどなく、むしろ己の為に蹴落としたり蔑ろにしていた。そして妻の死を目の当たりにするまで、目が醒めることは無かった。


 もし妻の、里子の急死が無ければ、未だに俺はその中毒に犯され、妻を娘を親を犠牲にし続けていたことだろう。



「まだ若いのに… 何かいい方向に行くといいのにな」


 突如煙の直撃を食らう。


「そーいやオメエ、オンナは若いに限るとか抜かしてたよな?」


「は?」


「あの娘。ツラも体も、オマエ好みだろ、ええ?」


 クイーンはニヤリと笑いながら俺を睨みつける。


「バーカ」


 俺はクイーンの尻を軽く蹴っ飛ばしながら、


「中毒かー 中毒な…」


「は? なんだよ」


「何でもない。さ、車戻ろうぜ、女王様」



 俺のこの彼女への想い。これも中毒なのだろうか… この歳になっても分からん事だらけだぜ、この世の中。



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