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雲の峰 その1
翌日。じめっとした曇り模様。雨は降るのを我慢しているのか。
細かい段取りを決めるために『居酒屋 しまだ』に集まる。母が友人と食事会なので、葵を夕食がてらに連れて来ている。クイーンの孫であり葵の彼氏の翔も一緒だ。
二人は学校が違うので平日は中々会えないらしい。なので久しぶりに平日会うのがとても嬉しい、と言っている。まあ葵は中三、一応受験生なので、それぐらいの節度が必要だと思う。男に狂って人生を棒に振らせる訳にはいかない。そんなことになったら死んだ里子に申し訳が立たない。
受験生なのだから週末に会う程度で十分だろう。俺は一人頷いていると。
「おうアオジル、毎晩ご苦労なこった。家出してここ住むかコラ? なんちってな、ギャハハ」
…… 毎晩、だと?
どういうことだ? 毎晩来ているのは俺だぞ。はあ?
「夕方、お前が来る前に来てよ、あとは上あがって翔の部屋でアンアンパコパコやってんぞ」
「やってないよ!」
「やってねーよ!」
「おい葵。話が全然違うのだが?」
葵はテヘペロ、とかいう謎の呪文を唱えつつ、
「気にしない気にしない。そんなちっちゃいこと言ってると、禿げるよパパ!」
と朗らかに言ってのける。まあ良い、この場はこれ以上追求するのはやめておこう。説教は帰ってからみっちりやるか、明日は休日なのだからな。




