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あおうめ その5
健太達に別れを告げて、店の外に出る。クイーンが付いてくるのがいつものこととなったのは、いつ以来だろう。久しぶりに雨雲でない夜空を見上げ、深呼吸してみる。夜の門前仲町の匂いが胸いっぱいになる。
「久しぶりに、服でも買ってくっかな。その日本一の旅館に合うやつ」
俺はちょっと首を傾げ、首を振る。
「こないだのヤツでいいよ。お前、白い服が似合うからさ」
クイーンは無言となり凍り付く。あれ、地雷踏んだか?
「テメー、よくも軽々しくそんなエロい言葉を… 散々オンナ泣かして来たんだろーな」
エロい? エロいか? 頭にクエスチョンマークが乱舞する。
「まあとにかく、お互いそんな気張らなくいいんじゃね? たかが宿屋だ。気にすんな」
「そっか。ああ、そうだな、たかが宿屋、だな。えへへ」
照れた様子で顔をクシャクシャにする。ちょっと可愛い、胸の鼓動が早まる。
「じゃまた明日。明日はお袋がいねえから、葵連れて夕飯食いに行くから。席空けといてくれな」
「おお、予約席作っとくわ。気ぃつけて帰れや」
俺は軽く手を振って家路につく。




