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栗の花 その7
「ハアー? 店あんだけど… それに、またこないだみたいなスッゲー旅館だろ… やめとこっかな…」
クイーンはガラスの破片を片付け終え、新しいジョッキにビールを注ぎ込む。のだが、半分以上溢してしまう。そんなクイーンをチラ見し、ゆうこはニヤリと笑う。
「あおば… ホントですか?」
「ゆうこちゃん、知ってるよね? 修善寺の名旅館」
ゆうこは遠くを眺める仕草で満面の笑みを浮かべながら、
「昔よく行ってました。大好きです」
「え…」
胸の鼓動が跳ね上がる。急に息苦しくなる。
「あおば、大好きです」
胸の鼓動が収まる。ああビックリした。こんな美人に真正面から好きですなんて言われたら、心臓が呼吸を停止してしまう。ん? 何を言っているのだ俺は?
「じゃあ二人で行きましょうよ! 先輩お店お忙しいですしね」
ゆうこが俺の腕を組み、その芳醇な胸を押し付けてくる。同時に高級な香水の匂いに包まれ、産んでくれてありがと、と死んだ父に感謝する。ん? 何かおかしいぞ俺?




