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花菖蒲 その4
また、冷えた視線を感じる。
チラリと横のゆうこを見ると、鋭く細い目付きで俺を睨んでいたが、それは一瞬のことですぐに視線は緩む。何だ今のは…? そして、チクリと俺の胸が痛む。まるで待ち針のほんの先っぽが肌に触れたかのような… 何だったのか、今のは…
視線をクイーンに戻すと、未だ口ポカーン状態を維持している。その口元から涎が若干こぼれている。砕け散ったガラスを忍がセッセと片づけている。
「キンちゃん、大胆になったねえー、姐さんを堂々とお泊まり旅行に誘うなんて。もう、ちゃんと付き合っちゃいなよ。そんでこの店継いじゃいな」
自分の耳まで赤くなるのを感じながら、
「いや、だから、そんな… ハア?」
割と真剣に狼狽えてしまう。その様子に忍がイラついた様子で、
「あーーー、かったりー。てか、付き合っても無いのにさ、お泊まり旅行誘うって、どーすかねー、ゆうこさん?」
「うん、有り得ない… 人として… 絶対」




