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花菖蒲 その3
話は冒頭に戻り。俺はゆうこの目と耳を大いに気にしながら、それでも仕方なく頷く。
「実は… その通りなんだ」
クイーンはパッと表情を明るくし、
「おっしゃ。いつにするよ? 早めに言ってくれよ! 何なら店閉めっからよっ」
何故か冷たい視線を一瞬感じる。誰のものかはちょっと分からないが。
「それでな、 今回なんだけど…」
煮え切らない俺にクイーンは眉をしかめ、
「何だよ?」
「泊まり、なんだ…」
ガッシャーン。
最早『居酒屋 しまだ』の恒例行事となってきた、ジョッキやグラスの自由落下運動。クイーンはポカリと口を開けたまま呆然としている。




