衝突 その5
本当に呼吸が止まった。
俺の『娘』とクイーンの『孫』が同じ歳… コレが地元社会の現実なのだ。大学を卒業し会社員となって三十近くで結婚する俺たちと、中卒だか高卒でガキができてポコポコ産んで適当に育てていく地元民との社会通念性の違い。
違いすぎる、何から何まで違いすぎる。そのギャップに殴り倒されたショックから何とか立ち直り、マジマジとクイーンを眺める。
この歳で中学生の孫がいる… 信じられない。娘がいるなら、姉妹でも通りそうな容姿なのだから。とても「おばあちゃん」には見えない。
それにしても。子供が三人、孫一人。きっと、地元チックなイカれたガキなんだろうな、と思いつつ、あれれ、葵と同い年じゃん、まさか同じクラスとかねーよな、と祈りつつ、
「そ、そか。中学は西中だろ?」
クイーンは首を振りながら、
「いや、私立の男子校。そっちは?」
私立! へー、受験したのか? いやいや。きっと公立を追い出され、私立の特別特殊学級かなんかに… まぁ、葵と全く無縁なのは善きかな善きかな。
「こっちは西中。親子一緒だわ」
「へー、お前の娘だから出来いいんだろーが?」
「そんな事ないよ。遊んでばっかいるし。それよりさ、この店って……」
全く接点がなさそうなので、あと彼女の哀れなイカれた孫の話をほじくるのも可哀想なので、話を変えようとするのだが。
「ったくウチのもよお、最近彼女出来たかで浮かれまくってるわー 勉強してねーよ全然」
イカれた孫にイカれた彼女なのですね、来年辺りひいばあちゃんですかね? どうもご愁傷様でございます。
「ははは、彼女か。そういえばウチの娘も最近彼氏が出来… え? 」




