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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第5章
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五月闇 その7


 閉店時間を過ぎてようやく最後の客が帰って行く。


「また来るよぉー」


 とても満足そうな表情である。そんな笑顔を眺めていると、俺も自然に微笑んでいる。



「なーにニヤニヤしてんだよ、キモ」


 クイーンが疲れた様子でタバコをふかしながらカウンターにやってきて、俺の隣にちょこんと座る。


「そう言えば、今年か来年中に飲食店内の喫煙の規制が始まるんじゃねえか? 東京オリンピックに向けて」


 クイーンはカメムシを噛み潰した表情で、


「あれウゼーよな。いーじゃんか、居酒屋で酒飲んでタバコ吸って。何がワリーのかさっぱりわかんねー」


 と言いつつ、俺をじっと見つめ、


「あーー、そー言えばキングって、吸わねえな。さすが生徒会長様ってか」


「生徒会関係ねえし。でも、そうだな、吸ったことねえわ」


 フーンと呟きながら、ちょっと上目遣いで、


「タバコ吸う女、嫌い?」


 と小さな声で囁くので、頷きながら、


「キスした時にタバコ臭いと、逃げ出したくなるな」


 と正直に言う。彼女はニジイロカメムシに放屁された顔となる。


「それに。健康志向でタバコの副流煙を気にする人は大勢いると思うぞ。この店も禁煙にしたら、もっと客が入るかもな、ってそれは素人の俺にはわかんねーけど」


「そっかなー、うーん、ふーむ、んんん…… ちょっと忍とそーだんしてみるわ…」


 意外に素直なクイーンなのである。



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