五月闇 その3
「いやー。金光さんが、旅行代理店にお勤めとは。てっきり銀行か何か、かたーいお仕事されているかと見受けたのですが…」
「はは、半分当たってますよ。去年まで某銀行勤めでしたから」
「いやー、やっぱり。何だろうな、雰囲気あるんですよね、貴方には。真面目さ? 正直さ? 実直さ? ねえ、どれも銀行の人っぽいでしょ」
「そんな… 恐縮です」
「いやー、それでいて、ねえ、あんな素敵な女性と… いやーホント羨ましい…」
「ですからアイツは…」
俺は正直に彼女は地元の中学生時代の同級生であり、居酒屋を経営していると話す。
「いやー、今日も一緒に来てくれるかと楽しみにしてたんですけどねえ、そうですか、いやー、是非一度お店に邪魔したいですなぁ」
いやー。ところでアンタ、アイツのアソコ実は見てたんでしょ… とは口に出さず。
「いやー、金光さん、僕が退院したら、温泉に是非行きましょうよ、彼女誘って、ね?」
「ハハハ… いいんですか、奥様に叱られますよ?」
「いやー、そこはオトコとオトコの… ね」
愛嬌のあるウインクをされた時、ふと俺はこの人とある意味ディープキスをしたことを思い出す。ああ良かった、俺がホンモノの女好きで。やはり何かにおいて一流の人は男女を問わず人を惹きつける魅力がある。
そういえば先週、そんな魅力を天然に振り撒きまくっていた女性がいたなあ…




