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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第5章
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カタツムリ その6


 誰が更に突っ込むかと言えば、もうこの男しかいまい。


「最初って… じゃあお嬢ちゃんはその?」


「いえ。娘は二番目の夫との子なんです」



 オタフクとツリ目以外の全員がゴクリと唾を飲み込む。



 そして全員の期待、希望、願いを背負い、この男が特攻する。


「って事は… バツ…二…? マジ…」


「ええと… 法的には… よん、かな」



『居酒屋 しまだ』は凍り付いた。もうすぐ夏が来るのと言うに、氷点下となってしまった。


「四… お、お見逸れ致しやしたっ」


 健太は本当に床に蹲る。俺も膝の力が抜けて、椅子に座っていなかったらしゃがみ込んでいただろう。



 何ということだろうか… 清楚な大人しそうな先生が、まさか誰よりもずっとずっと大人な女性だったとは…


 それからは健太やクイーンに四人の元夫たちの事を根掘り葉掘り聞かれ、健気に答えていた彼女が店を後にしたのは、閉店時間を軽く過ぎた頃だった。



 俺と健太と忍、そしてクイーンは悄然としてカウンターに突っ伏していた。


「人生ってよ… なんか色々だな…」


「その辺の小説とかドラマより色々じゃね?」


「てか。逆にそんだけ色んなオトコを好きになれるって、スゲーわ。アタシにゃムリ…」


「まあー もう来ることは無いっしょ… 初めての有名人… あ。サイン貰うの忘れた…」


 白ぶ… 忍の予想は翌週、簡単に覆されるのであった。



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