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さくらんぼ その4
「ゆうこ… 河口由子か… 『赤蠍の…」
「知っているのか健太?」
健太はゴクリと唾を飲み込み、
「ああ。いっこ下の番だよ。髪真っ赤に染めてて、いつも真っ赤なピンヒール履いていて。喧嘩の時はそのピンヒールを相手の顔面にブッ刺して… ヒィー、思い出したくねえ… あのクイーンも持て余し気味だった、通称『病院送りの赤蠍』さ。俺、怖くて殆ど目を合わせたことねえぜ…」
…… 何と危険な女、いや中学生だったのだろう。きっと今もその性格性質は変わらず、この辺りで暴れ散らしているのだろうか。それか極道の妻にでもなって?
「今、何やってんだ? 絶対カタギじゃねえだろ?」
「知らねえ。中学卒業と共に、街を出たからな。噂では薬とバイクで廃人になったって…」
「何という… あれ、いっこ下って、オマエの嫁と同級生か?」
「まあな。あんころはよく連んでたらしいけど。ああそうそう、番張ってたくせにメチャクチャ勉強出来たから、確か高校は都立行ったとか…」
「話が全然違うじゃねえか、どっちが本物の赤さそりなんだよ…」
あの頃は一部の私立を除き、成績の良い中学生の選択肢は都立高校が圧倒的に多かった。今と違い学区制だったし。そう言えば葵は高校どうするのだろう…




