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虎が雨 その4
こんな気持ちは何十年ぶりだろう。ひょっとしたら学生以来かもしれない。まさか五十を過ぎて仲間にほんのりと生暖かく冷やかされる身になろうとは…
チラリとクイーンを窺うと、膨れっ面ながらも目が優しく笑っている。
クイーンはブツブツ言いながら厨房に入って行き、健太が俺の肩に腕を回しながら、しみじみとした口調で問いかけてくる。
「いやーーー、何つうの、ナイスーなの、御愁傷様―なの、軍ちゃんよお」
「だから、そんな関係じゃねえって。葵と翔と、あとお袋と…」
「それ既に家族ぐるみの関係ってヤツじゃんよ」
「あれ…? いやだから、俺とアイツはそんな関係じゃ…」
「キンちゃん、何照れてんのさ、てか、姐さん泣かせたら、殺す」
白豚ちゃんに殺人予告を受けてしまう。
「お前ら… ハアー… 何か腹減ったわ、忍ちゃん、今日のオススメは?」
「キングとクイーンのごった煮でーす」
馬鹿野郎。せめてアヒージョにしてくれ…
なんて考えている時点で俺、相当舞い上がっているのだろう…




