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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第5章
145/425

虎が雨 その1


蕭蕭しょうしょう』と言う言葉が梅雨の雨ほどふさわしいものはない。お袋ではないが、一句詠んでみたくなるー



 蕭蕭と しとしと雨が 心地良し



 …… 素晴らしい。



 そんなシトシト雨を傘で弾きながら、定時に会社を出て地下鉄有楽町線に乗る。月島で大江戸線に乗り換え、門前仲町に着く。


 この駅は数年前に、首都圏鉄道混雑ワーストランキングで堂々の一位だったそうだ。


 俺は役員なので所謂『役員出社』をさせてもらっているので、その混雑ぶりは未だよく知らないし知りたくもない。


 駅の階段を上り、傘を開く。まだ明るい湿った街の空気を胸いっぱいに吸ってから、クイーンの店に向かう。あれ… そう言えば俺は、あの店の名前を知らない。


 スマホのマップ機能で調べてみると『居酒屋 しまだ』だそうだ。クイーンの本名が『島田光子』なので、苗字をそのまま店の名前にしたようだ。



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