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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第5章
142/341

梅雨曇 その5


 ちょっと空気が澱んでしまったので、話を変えてみる。


「そう言えば皆さん、ISSAという組織をご存知ですか?」



 社長と田所常務は『はあ?』という顔をする。両部長は『ああ、あの…』という顔付きだ。そんな中で山本くんがすかさず食い付いてくれる。


「勿論です。世界温泉調査協会、本部はドイツのバーデンバーデンにありますよね。温泉界のミシュランみたいなものです」


 俺を含めた勉強不足の役員達へわかりやすく教えてくれる。昨日はこの報告書を書くので一杯一杯で、I S S Aや泉貴志さんのことを調べる余裕が無かった。


「そうか。報告書には書かなかったが、実はこんな事があって…」


 箱根『銀の竪琴』の露天風呂での人命救助の話を始める。



 あれ… さっきの仕事の報告よりも遥かに皆食いついてくるぞ…


「何ですって… お連れの女性が全裸で露天風呂に入って来た…?」


 そこに食いつくか、常務… 若干違うぞ。


「AEDを使いこなすとは… 流石、元支店長…」


 社長… そこですか… 機械の音声通りに動かせば誰でも…



「えええええーーーーーー」


 そこだろ。流石山本クン!


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