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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第5章
141/341

梅雨曇 その4


「…… 以上が私からの報告です。何か質問は?」


 社長、役員、各部長以下、会議のメンバーが食い入るように俺の報告書を読み込んでいる。そう言えば報告書をこの会社で提出したのは初めてかもしれない。


 社長の鳥羽は三十代後半。山登りが好きで日本中の山を登りまくっていたと言う。八年ほど前に仲間とこの旅行会社を立ち上げたそうだ。



「いや、さすが金光さん。こんな完璧な報告書、初めて拝見しました。ご苦労様でした」


 常務取締役の田所も社長とほぼ同年代。営業担当でいつもニコニコしている。


「社長の仰るとおり、さすがですね。これは今後営業サイドにも貴重な資料となりますよ。ね、三ツ矢さん」


 営業部長の三ツ矢。俺と同じ中途採用の元凄腕商社マン。営業部の、というよりこの会社のこの数年の大躍進は殆ど彼の手腕によるもの、だそうだ。山本くん曰く。


「ええ、久しぶりに見ましたね、マトモな報告書。企画部の皆さん、今後はこれ位の企画書、報告書でお願いしますよ!」


 …… 若干人間性に問題があるらしい。山本くん曰く。



 因みに俺は企画担当の専務取締役。俺の直属の企画部長の迫田が三ツ矢を睨みつける。ハハハ、こんな小さな会社にもそれなりの縄張り意識みたいなのがあるのだ。これも山本くん曰く。



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