衝突 その2
「なーに、健太とキングちゃん何かあったの?」
白豚が急に顔を出して来る
「しろぶ… 忍ちゃん中学違うから知らねーかー、中二のとき…」
「ハイ、お待ちーー」
明らかに間違いなくわざとドンと置かれたビールは跳ね上がり、健太の顔にかかった。
「うぎゃ。はい、かんぱ〜い」
「乾杯…… ハアー」
「で、何で金光さんは『キング』ってあだ名だったの?」
白豚がしつこく聞いてくる。とっとと料理を作って出せよ。
「こいつ、金光の『金』と軍司の『ぐ』、で『キング』。中三まで勉強やらせりゃ学年一位、スポーツやらせりゃあバスケ部のエースで都大会ベスト8、生徒会長やってて、俺らのチョー天敵だったんだわ」
吹き出しながら白豚が俺の背中をバシバシ叩く。正直、ウザい。
「うわー漫画の主人公みたい、そんで?」
「何がおかしいの? んで、あれ中二んときか? 俺らとコイツがちょっと揉めてな」
うわ… 俺の中学時代の黒歴史ナンバーワン…
「で、先輩に許可もらって体育館の裏に呼び出して、ヤキ入れようとしたらよ、」
「返り討ちにあったんだよなー」
突如クイーンが割り込んでくる。
「確か六人でシメようとしたのに、逆に三人病院送りだったよな。なー、ケンタ」
「そ。俺、鼻の骨粉々にされたし。なー、キングさん」
正確には鼻骨にヒビな。寧ろ俺の右手の中指骨折の方が酷かったのだが。
「で、その右手の骨折完治してねーのに、バスケの大会出て大活躍な。ケンタたちよりよっぽど根性あったよな、キングは」
何故にクイーンがあんなことを覚えている? 俺は唖然として、
「島田さんが俺のこと知ってたとはびっくりだわ」
クイーンは年甲斐もなくモジモジしながら、
「ま、まあな… それよか、誰だよ、島田さんって!」
「じゃあ…『クイーン』。で、島田さんって何で『クイーン』って呼ばれてるの?」




