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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第5章
139/365

梅雨曇 その2


 理由はー


 一昨日の日帰り出張仕事がそこそこ上手くいった事。この会社に来て初めてまともに仕事をこなした気がする。昨日書いた報告書も我ながら中々の出来である。


 そして。


 何十年振りだろう、胸の奥に仄かな温かみが生まれた為だ。一昨日まではその女に会うのが憂鬱だった。全然俺のタイプでも無かった。出来れば関わり合いたく無かった。


 しかし昨日からはその女のことが一日中気になり、思わず夜その女に会いに行ってしまったほどである。



 故に、朝から訳の分からない母親の嫌がらせも梅雨の満員電車も、許す。そんな気分で俺は、去年から勤めている旅行代理店『鳥の羽』のある有楽町駅で下車し、足取り軽く会社に向かっている。


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