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はじまり その11
「そ、そりゃあ、君は僕の母親そっくりだー、なんて言われたらよ、嬉しいっつーか、やっべーっつーか…」
へ? この人何言ってんの?
男が女に、自分の母親に似ているって言うのが、口説き文句だと? 凄えな下町、山の手じゃ逆の意味に取られるけどな。
とまあ、こんな風にこの女との会話はところどころチグハグというか、意味不明な部分も多々あるのだが。悪くない。全く全然悪くない。むしろ楽しい、なんなら嬉しい、もある。
未だ俺の肩に頭を乗せているクイーンに、
「ぼちぼち帰るわ。今日は疲れたな」
「明日、日曜じゃん。まだいーだろ?」
「今日のレポートを書かなきゃいかん」
「あれか、数年ぶりに勃ちましたってか、ぷっ」
軽く頭をゲンコツで叩く。
「会社はそんなこと知りたくねえし」
「そんじゃあ、惚れてるオンナのアソコをガッツリ見れて嬉しいですってか、きゃは」
軽く頭突きをかませながら、
「惚れてねえし。嬉しくねえし。でも、まあ、いいもの拝めたな、ラッキーってか?」
逆に頭突き返しされ、
「ま、アタシも随分ご立派なもの眺められて、ありがたやーありがたやー」
と言いながら俺の股間を拝みだす。
俺は大いに吹き出しながら、カウンターを立ち出口に向かう。




