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King & Queen   作者: 悠鬼由宇
第4章
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はじまり その10


 あーーー、緊張した……


 べ、別に告白した訳じゃないのだが、それでも今後今以上の仲になりましょう宣言には違いないし。照れのあまりジョッキのビールを一気に呷る。するとクイーンが、


「ほんじゃよ、さっそくだけど、あの割引券いつ使うよ? お前んとこのアオジル来年受験なんだろ、あんま遅いと行けなくなるんじゃ?」


「そうだな、夏休みでいいんじゃないか?」


 クイーンは正露丸を10粒も噛み締めた表情で、


「アホかお前。真夏に温泉なんて、暑苦しくて堪らん」


「ほお、そういうもんなのか」


 クイーンは頭を振りながら、


「ホントに温泉旅行とかしてこなかったんか… ほれ、若くて乳のデカいねーちゃん達は連れてってやんなかったんか?」


 グサッ と何かが俺の胸に深々と刺さる。が。軽くスルーし、


「行かないねえ、だから知らんねえ、真夏に温泉はN Gだなんて。そっか、そっか。ふむふむ」


 クイーンは流し目でニヤリと笑いながら、


「ま、そゆことにしといてやっか。そしたら、いつにするよ?」



 そう言うと俺の肩に頭をちょこんと乗せてくるではないか! 若い子にされたらオジサンはキュンとなって嬉しくなるが、コイツにされても、な……


「そうだな、秋、になるか? ま、それまで二人が持つとは到底思えんけどな」


「そっかぁ? 案外うまくいくんじゃね?」


「いやぁ、葵には勿体なさすぎるって。翔にはもっといい子できるって、葵なんてやめとけやめとけ、って言っといてくれよ」


 クイーンは肩に頭を乗せたまま顔を上げる。当然、近い。メチャクチャ近い。何ならすぐにでもキスできてしまうほど近い。絶対しないけどな。


「おま… 娘の親がそんなこと言うなんて、珍しいな。ってか、そんなこと言って、娘を手放したくねーだけってか? ったくしみったれたクソ親父だな」


「ちっ バレたか」


 この女には俺の考えなぞ完全に見透かされている感が半端ない。まるでお袋のようだ。それをそのまま口にすると、


「は? へ? ちょっ アタシがアンタのおっかさんに似てる? はあ? ええええ?」


 突如キョどりだす。何故?



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